← ともしびに戻る

過呼吸が起きたとき

息が苦しくても、大丈夫。ゆっくり、一緒に落ち着いていこう。

まず知ってほしい——それは「酸素不足」ではない

過呼吸のとき、「息が吸えない」「酸素が足りない」と感じてとても苦しいですよね。 でも実は、体の中で起きているのはその逆のことが多いのです。

過呼吸は、不安や緊張で呼吸が速くなり、息を吸いすぎて、二酸化炭素が減りすぎた状態です。 酸素はむしろ足りています。だからこそ、必要なのは「もっと吸う」ことではなく、ゆっくり吐くことなのです。

息が苦しいのは、酸素が足りないからではなく、二酸化炭素が減りすぎたから。
つらい症状は出ても、過呼吸そのもので命に関わることは、通常ありません。数分で必ず治まります。

手足のしびれ、めまい、胸の苦しさ——どれもこの状態から来る一時的なもので、危険なものではありません。 「必ず治まる」と知っているだけで、少し楽になれます。

その場でできる呼吸——「吐く」を長く

落ち着くコツは、吸う息より吐く息を長くすること。 速く吸い込むのをやめて、ゆっくり吐くことに意識を向けてみましょう。

吸うことは、頑張らなくて大丈夫。
吐ききれば、体が自然に、必要なぶんだけ吸ってくれます。「吐く」に集中して。

最初はうまくいかなくても大丈夫です。速い呼吸をいきなり止めようとせず、 一回ずつ、少しずつ吐く息を長くしていく——それだけで、体はゆっくり落ち着きに向かいます。

⚠️ 紙袋を口に当てる方法は、しないで

昔は「紙袋を口に当てて呼吸する(ペーパーバッグ法)」がよいと言われていました。 でも今は、この方法はすすめられていません。

紙袋で呼吸をくり返すと、体の中の酸素が本当に足りなくなり、 かえって危険な状態になることがあります。過去には事故も報告されています。
袋やビニールを口に当てる方法は、使わないでください。

特別な道具はいりません。袋を使わずに、ただ口をすぼめてゆっくり長く吐く—— それがいちばん安全で、確かな方法です。

体勢と、自分への声かけ

呼吸と一緒に、体と心もゆるめていきましょう。無理に立っていなくて大丈夫です。

「死んでしまうかも」と怖くなるのは、過呼吸のときによくある感覚です。
でも、その恐怖もふくめて、数分で波のように引いていきます。やり過ごせば、大丈夫。

そばに誰かがいてくれるなら、「ゆっくり吐くのを、一緒に数えて」と頼んでもいい。 ひとりのときは、このページの言葉を、そばにいる声だと思ってください。

くり返すなら、相談してほしい

一度きりで治まったなら、あまり心配しすぎなくて大丈夫です。 でも、過呼吸を何度もくり返す、 「また起きたらどうしよう」という不安で外出や生活がつらい——そんなときは、背景に パニック症などがあることがあります。

これは気の持ちようの問題ではなく、心療内科や精神科できちんと相談できることです。 対処法を知ったり、必要に応じた治療を受けたりすることで、 発作の回数がぐっと減って、楽になる人はたくさんいます。診断を自分で決めつけず、まずは話してみてください。

「たかが過呼吸で」と、がまんしなくていい。
くり返すつらさは、相談していいつらさです。あなたが楽になる方法は、きっとあります。

ひとりで抱えず、話せる場所があります。

最終更新:2026年8月17日 / 参考:厚生労働省「まもろうよ こころ」