目覚ましが鳴っても、体が動かない。学校に遅刻したり、行けなかったりする。
それは甘えじゃないかもしれない。その理由を、少しだけ一緒に見てみよう。
朝、目覚ましが鳴っているのは分かっているのに、体がまったく動かない。 頭が重くて、起き上がろうとするとクラクラする。気づけば、また遅刻の時間——。 そんな自分を「自分はダメだ」「サボってるだけかも」と責めていませんか。
でも、10代の朝起きられないは、夜ふかしのせいだけでも、気合が足りないからでもありません。 中学生・高校生の時期は、体が大きく成長する途中です。 その途中で、体を目覚めさせる「自律神経」のはたらきや体内時計が不安定になり、 どうしても朝起きられなくなることがあります。「起立性調節障害(きりつせいちょうせつしょうがい)」という体の不調が関係していることもあります。
起立性調節障害は、自律神経のはたらきが不安定になって、 立ち上がったときに血のめぐりをうまく調節できなくなる体の不調です。 とくに思春期の中高生に多いと言われています。
朝は、体を目覚めさせる交感神経がうまく働きません。 そのため、起きようとすると立ちくらみ・めまい・だるさ・頭痛が出て、どうしても布団から出られなくなります。 いっぽうで、お昼を過ぎると体が動き出して、午後や夜には元気になることもあります。
「朝だけ動けない」のは、気持ちの問題ではなく、体の中で起きていることです。 それを知っているだけで、少し自分を許せることがあります。
起きられない朝が続くと、本人は「みんなできてるのに、なんで自分だけ」と自分を責めてしまいます。 親御さんも、つい「気合が足りない」「早く寝ないからだ」と言いたくなるかもしれません。 でも、その言葉は、いちばんつらいところをさらに追いつめてしまうことがあります。
本人がいちばん、「起きたいのに起きられない」ことに苦しんでいます。 責めるかわりに、「つらかったね」「体の調子かもしれないね」と、まず気持ちに寄りそってあげてください。 それだけで、朝の重さが少しやわらぐことがあります。
すぐに全部が良くなる魔法はありません。でも、家でできる小さなことや、相談できる場所があります。 無理に叩き起こすのではなく、体をゆっくり整えていくイメージで。
朝起きられないと、遅刻や欠席が増えて、「このまま学校に行けなくなるのかな」と不安になることもあります。 成績のこと、友だちのこと、周りの目——いろんな重さが、朝の体にのしかかってきます。
でも、それを全部ひとりで抱えなくていいのです。 体のことは病院で、気持ちのことは、話を聞いてくれる窓口があります。無料で、名前を言わなくても大丈夫です。
ここまで読んでくれたあなたは、もう「どうにかしたい」と動いている。 それだけで、十分がんばっています。あせらなくて、大丈夫。
最終更新:2026年8月21日 / 参考:厚生労働省「まもろうよ こころ」